
熊本県の産山村は名水のふるさと。
有名な温泉地に囲まれながら、
この地域だけは、冷たく清らかな水が湧く。
この水を利用して、
美味しい豆腐を作っている店があると聞き、
温泉行脚の途中に立ち寄ってみた。
もっと観光客向けの店かと思えば、
意外に素朴な佇まいでニンマリする。
店内へ入るともっと素朴だった。
2卓しかないテーブルにひとつが、
おばちゃんの手で素早く片付けられる。
ご夫婦で経営されており、
飲食店というより、
食堂は片手間でやってるように見えた。
聞けば近くの池山水源の水で豆腐を作っているとのこと。

定食は3種類。
どれにも豆腐が当然ついてくるので、
せっかく九州に来ているのだからと、
豆乳だご汁定食(1000円)をチョイスする。
あと一品で焼きあげ(200円)も付けてもらった。
食前酒ならぬ食前豆乳をいただく。
水が違えばこうも違うのか。
臭みもなく清涼飲料のようにスーッと喉を通る。
やがて盛られた豆腐の数々・・・。
寄せ豆腐に、絹ごし豆腐、そして木綿豆腐。
しっかりした食感なのに、味わいだけが口にとろける。
思わず唸ってしまった。
大豆の甘味と違った甘味が感じられる。
これがもしかしたら、池山の水の甘味なのかも知れない。
贅沢すぎる前菜をいただき、いよいよメインが登場した。
だご汁を中心に、おから、おからサラダ、漬物・・・。
どれも素材の旨みを引き出した手づくりの品ばかり。
九州独特の麦味噌と豆乳をブレンドした汁に、
大根、ニンジン、白菜など野菜がたっぷり。
揚げも入って、豪華なすいとんだ。
ご飯もこちらの水で炊かれているのだろう。
米の甘さと水の甘さが相まって、
オカズいらずの美味しさだった。
食べることの楽しみを存分に教えてくれる小さな名店だ。
喜戸とうふ
住所/熊本県阿蘇郡産山村田尻201−2
電話/0967−25−2416
営業時間/8:00〜18:00
店休日/毎木曜日



