投稿日:2007-06-16 Sat

うどんは関西、蕎麦は関東。長年旅して導いた結論がこれ。関西の蕎麦は全くダメなのかと言うと、そうでもない。きっちり打たれた蕎麦は、思いのほか容易に食べることが出来る。マイナスは蕎麦自体ではなく、出汁やつけ汁に生じるケースが多いのだ。キリっとした生醤油を活かした関東に対し、関西は明らかに甘めで仕上げる傾向にある。喉越しが命であるはずの蕎麦に、この甘さが勢いを殺しているような気がしてならない。
奈良、東大寺近くの閑静な歴史ある町並みに店を構える「そば処よし川」は、以前からその存在を知っていたものの、いつ行っても店前に列ができていて、試す機会がなかった。美味しいものは好きでも、性格的に並ぶのは大嫌いである。ところが先日15日、お盆に奈良へ出かけた際、ダメモトで寄ってみるとすんなり席に座れた。
見るからに敷居の高そうな店で、外からはメニューも値段をわからない。店内にも一切表記なし。店の人が注文を取り来るときに持ってくる品書きでようやく判別できた。メニューはざるそばをメインに冷たい蕎麦ばかり。二人だったので、ざるそば(840円)と天ざるそば(1575円)に決めた。挽きたて打ちたてが信条だから、ここから出てくるまでが長い。ここを載せているガイドブックもあるが、はっきり言って不親切なガイド。座ってから40分は待つのだから、並んでからだと、いったいどれだけ時間を消費するやら・・・。寺ひとつ十分に拝観できるだろう。
なんてことを考えているとようやく出てきた。まず天ぷらの量にビックリ。エビ2匹、さつまいも、なすび、玉ねぎ、れんこん・・・。二人で分けて他の店の天ざるに匹敵する。さて蕎麦だがきりりと締まった喉越しを楽しむタイプ。香りも十分楽しめる。こうなるとつけ汁が決め手になるのだが、きっちり醤油を活かした硬派なものだった。甘ったるい出汁とは違い、相性良く一気にスルスルっと納まる。夏の蕎麦はこう来なくっちゃ。観光地にあって、こうした出来のいい仕事に出会えるのはウレシイものだ。店を出て、隣家の表札を眺めると、奈良の有名な写真家、故入江泰吉氏の邸宅だった。店と繋がっているかんじだが、関係があるのだろうか。
そば処よし川
住所/奈良市水門町50
電話/0742-22-0448
営業時間/11:00〜売り切れまで
店休日/月不定休、火休
駐車場/なし
△ PAGE UP



