
奈良の五位堂に仕事で出かける用事ができた。
ついでに美味しいものがいただけないかと検索。
「手打ちそば はやし」がヒットする。
近鉄の駅から歩けば20分強といったところか。
取材は午後からなので、開店一番に乗り込もう。
目指す店は、ニュータウンの入口近く、
幹線道路沿いにあった。
時計を見れば、開店まであと10分。
ベンチに腰かけて、待つことにする。
すると、次々に自家用車が駐車場に入ってきた。
開店時、席に着いたときには満席。
25人ほどの客で、男は私、一人っきりだ。
世の奥様方はなかなか優雅に暮らしてらっしゃる。
さて、メニューを眺める。
バリバリの職人気質かと思えば、
トマトそばや、蕎麦ピザなど、独創性なメニューもある。
そろそろシーズンが終わる、辛味大根そばにも惹かれたが、
折角だから3種類の蕎麦が楽しめる、
「三つ揃えそば」(1365円)をいただくことにした。
自慢の田舎、せいろ、生粉そばの三種類が、
半量ずつ味わうことができるのだ。
まず奈良の店らしく、蕎麦の前に古代米が通された。
箸袋を見ると、手書きで店名が記されている。
なかなかの演出ではないか。

最初に出てきた蕎麦は、黒く野太い田舎そば。
まずそのまま、次にほんの少しの塩と一緒に蕎麦をつまむ。
噛み締めに近い、力強いコシを楽しんだあと、
すーっと蕎麦が持つ、甘みが口に広がっていく。
つゆに浸けても美味しかったが、
そのままか、塩だけで結構、食べきってしまった。

次に出てきたのがせいろそば。
田舎そばとは一転、色白美人の石挽き臼で挽いた細打ち蕎麦。
これも香り豊かで、コシから喉越しへと、違った楽しみを与えてくれる。
つゆも田舎そばのものと異なる、
ちゃんと、蕎麦に合わしたものを使う。

最後に出てきたのは、生粉せいろそば。
せいろをさらに磨きにかけたような美しい10割蕎麦。
塩を振ってひと口。
うん、甘みはこれが一番感じるかな。
そしてバツグンの喉越し。
せいろそばのつゆでいただく。
辛口のつゆの絡みもいい。

シメはもちろん、ポタージュのような濃厚な蕎麦湯。
なんとも贅沢な蕎麦のフルコースだった。
田舎蕎麦好きな私は、やっぱり最初のそばに惹かれたが、
どれもきっちり個性を見せてくれて楽しい。
冬場は辛味大根をたっぷり使った蕎麦が美味しいとか。
ここはわざわざ足を運ぶ価値のある店に思う。
今から寒くなるのが楽しみだ。
手打ちそば はやし
住所/奈良県北葛城郡広陵町馬見北8−6−6
電話/0745−54−6884
営業時間/11:30〜14:30、17:30〜20:00(ただし月曜日は昼のみの営業)
店休日/毎火曜日(祝日の場合は翌日休)



